8月1日(金)13:00~15:00 2F ホール
性犯罪が後を絶ちません。「性的同意」という言葉も法律の中に盛り込まれました。一方で児童ポルノをはじめとした被害者が後を絶たず、「ダメ、絶対」というスローガンのようなことが繰り返されるだけです。
このテーマでこれまで多くの人が持論を語ってきましたが、そろそろ現実と向き合う必要があるのではないでしょうか。
希望がないようなタイトルですが「性犯罪は予防できない!?!」という視点で改めて、本音で語り合いたいと思いませんか。
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斉藤章佳
大船榎本クリニック精神保健福祉部長(精神保健福祉士/社会福祉士)
1979年滋賀県生まれ。大卒後、アジア最大規模といわれる依存症施設である榎本クリニックにソーシャルワーカーとして、約20年に渡りアルコール依存症を中心にギャンブル・薬物・摂食障害・性犯罪・児童虐待・DV・クレプトマニアなど様々なアディクション問題に携わる。その後、2020年4月から現職。
専門は加害者臨床で現在まで3000名以上の性犯罪者の治療に関り、性犯罪加害者の家族支援も含めた包括的な地域トリートメントに関する実践・研究・啓発活動に取り組んでいる。また、都内更生保護施設では長年「酒害・薬害教育プログラム」の講師をつとめている。小中学校では薬物乱用防止教育をはじめ、大学でも早期の依存症教育に積極的に関わっており、全国での講演も含めその活動は幅広くマスコミでも度々取り上げられている。東京都痴漢被害実態把握調査委員、一般社団法人痴漢抑止活動センターアドバイザー。
著書:
「男が痴漢になる理由」 イースト・プレス.2017
「盗撮をやめられない男たち」 扶桑社.2021
「つながりを、取り戻す。」 ブックマン社.2023(共著) 他多数
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池畑 博美
専門分野:暴力対応カウンセラー / 非営利セクター支援
誰もが安心して煌めくことができる社会に
20年間にわたり、暴力防止のためのプログラムを約10万人に実施してきました。今まで平均年間実施数は約250回。
その経験を活かし、虹色のたねを設立し、特に、DV、虐待、性暴力に特化し主に企業様対象の研修実施、個人の方には個別相談を行っています。
氣づきにくい暴力によって、生きづらさを抱えさせられている方に寄り添い、少しでもその方の背負っている荷物を軽くする方法を一緒に考えます。必要に応じて関係機関へとの連携も行います。
実績:講演実績・活動実績
・テーマ「デートDV予防啓発活動」
・ワークショップ「子どもへの性暴力防止研修」
・ワークショップ「デートDV専門研修」
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高橋幸子(産婦人科医)
〈現職〉産婦人科専門医
埼玉医科大学 医療人育成支援センター・地域医学推進センター 助教
埼玉医科大学病院 産婦人科 助教 〈思春期外来担当〉
埼玉医科大学 医学教育センター
彩の国思春期研究会代表理事
日本思春期学会 理事
埼玉県産婦人科医会 性教育委員会
【著書】
12歳までに知っておきたい男の子のためのお家でできる性教育(日本文芸社)
自分を生きるための<性>のこと SRHR(性と生殖に関する健康と権利)編 少年写真新聞社(2023年7月19日発売)
サッコ先生と!からだこころ研究所~小学生と考える「性ってなに?」リトルモア
マンガでわかる!28歳からのオトメのからだ大全 KADOKAWA
宮崎豊久
インターネット上には依然として、多くの盗撮映像や児童の性的画像などが存在しています。この問題はインターネットの黎明期からすでに始めっていて、法律の改正や刑事罰を増やすなどして、対応に追われていました。しかし、禁止すれば闇に潜り、さらに発見や捜査が難しくなる負のスパイラルに陥りました。
私自身、女児を育てる親の立場からすれば、子供たちが性犯罪に巻き込まれることは許し難い出来事であり、何らかの実効的な対策が求められることに異論はありません。
一方で、社会のホワイト化が進んでいく中で、清廉潔白こそが正義であり、絶対に間違えを起こせなくなりつつある社会の風潮にはとても懸念を持っています。
そしてゼロトレランス(不寛容)が絶対的な支持を得る現社会では、問題の本質が語られることが少なくなりました。
20年以上インターネット問題に携わった視点から、今回のテーマに向き合っていきたいと思っております。
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コンドームの達人
陸前高田市ノーマライゼーション大使
「エイズ予防はノーセックスかコンドーム」
この言葉で傷つく人は誰かということも考えずに正解ばかりを伝えていたコンドームの達人でした。この言葉を聞いたにもかかわらずHIV(エイズウイルス)に感染した人が私の外来を受診するでしょうか。声高に正解を伝えていた岩室紳也は正解依存症でした。
性犯罪はダメ絶対ですが、そのことに気づき、加害者にならないためにいま求められていることは何でしょうか。斉藤章佳さんが「痴漢は依存症」とおっしゃっているように、性犯罪予防のための単純な答えはありませんが、皆さんと一緒に考えたいと思います。